治療
本症の背景因子の1つとして皮膚の過敏性があります。
皮膚の防御(バリア)機能が破壊されて乾燥が起こる為、
皮膚表面を正常化するスキンケアが重要となります。
日常生活で気をつける点については以下の通りです。
- 食事
食事については、本症の湿疹を誘発するようなアレルギーが患者様にない限りは何を食べても問題はありません。
栄養バランスのとれた食事をしましょう。
ただ、香辛料は身体があたたまり、湿疹があるときには痒みを誘発、助長します。 - 衣類
衣類、特に下着類は木綿製が推奨されています。
木綿繊維の吸水性と通気性に加えて肌触りがよいためです。しかし、木綿であるからといってすべて安全というものでもありません。
新品のものには防虫加工などの処理が加わっていますので、一度水洗いしたのち使用しましょう。同時に洗剤の残存にも注意しましょう。
また、衣類についても可能な限り木綿製のものが適していますが、そうでない場合はやわらかい繊維の製品でゆったりしたものを着用しましょう。 - 洗濯
汚れが本症の増悪因子として作用することから、患者様の身につける衣類の洗濯は大切です。洗濯時は残留洗剤に注意しましょう。
健康な人の皮膚には何ら影響を及ぼさない濃度の残留量であっても、本症患者様の皮膚には痒みを誘発する刺激として作用します。
したがって洗濯が終了したのち、もう一度水洗いするとよいでしょう。 - 入浴
本症患者様の入浴は、皮膚に付着する種々の刺激物、汗、汚れなどを除く上でも必要です。熱すぎると痒みを誘発し、温度が低すぎると風邪をひいたりします。
心地よく感じる適温(通常よりやや低め)を設定しましょう。
そして大切なのは洗い方です。
健康な皮膚をゴシゴシ洗う洗い方は症状の悪化に繋がる為、石鹸を十分に泡立て、その泡で皮膚を洗いましょう。
石鹸は十分に皮膚から洗い流し、入浴後には必ずスキンケア外用薬などを塗布しましょう。
これは本症にのみ言えることではなく、すべての人にとっても大切なことです。 - プール、海水浴
本症患者様が頻繁にプールに入ることは皮膚の乾燥傾向を助長することになり、好ましい環境とはいえません。
プールの水に加えられるカルキは皮膚を刺激し、水の汚れも同様です。
しかし、プールで水泳することは生活の一部です。その為、皮膚症状が軽度の場合は許可してもよいでしょう。
ただし、その場合は水泳後のスキンケアを十分におこなうことが大切です。
プール後は十分にシャワーを浴びて皮膚に付着した刺激物を除去し、 そのあとスキンケア外用薬を塗布しましょう。 海水浴においても同様です。
本症は遺伝的な病気ですので、残念ながら何かひとつおこなえば治るという根本治療はありません。
しかし、一生治らないというのは大きな間違いです。
本症はむしろ年齢とともに自然に良くなっていくのが特徴です。
当院では、皮疹の状態や年齢、生活環境、合併症の有無などから適切な診断をし、
ステロイド外用薬、免疫抑制軟膏、皮膚保護用外用薬(保湿剤)、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、プラセンタ、P-リボーン、トレチノイン療法
などといった治療をおこなっております。
また、生活面においては、
① 皮膚を清潔に保つ
② 熱いお風呂や過度の入浴は避ける
③ 規則正しい、ストレスの少ない生活をする
④ 可能な限り環境整備し、環境アレルゲンや悪化因子の減少に努める
などといったことが必要です。
炎症を抑えるとともに、
日々のスキンケアをきちんとおこなうことが早期回復に繋がっていきます。
















