ダイオード対決
![]() |
![]() |
|
| コヒレントLightSheer-XC | VS | パロマーSLP1000 |
本文はコヒレント社製ダイオードレーザー装置を用いた脱毛の基本手技の続編です。
「基本手技」では、書いているうちに話が逸れて、もうひとつのダイオードレーザー装置であるSLP1000の評価に熱心になってしまいました。
実は、パロマー社の副社長であるMr Brodyが私をたずねて、
わざわざ渋谷に来院された際に、「機械を持って来るので実際に照射して比較して欲しい」との要望がありました。
そのような経緯で、レーザー照射口が直径12ミリになった最新型(従来は10ミリ)を試用する機会に恵まれたのです。2000年12月13日のことです。
まず、機械の外観についてです。
手前がLightSheer、奥が最新型SLP(最新型は照射口の直径が12mmです。
日本では最初の試用とのことで表示パネルには新品である証拠のテープが貼られたままでした)
機械本体は設置するとLightSheerのほうがコンパクトです。
ハンドピース本体はSLPのほうが圧倒的にコンパクトです。照射口(ガラス部分)は丸いSLPより四角のLightSheerが圧倒的に有利です。
(丸いと照射もれが起きます。こちらを御覧ください)
LightSheerではハンドピースの皮膚接触面に占めるガラス面の割合が大きいのですが、SLPではガラス面よりも金色の金属部分のほうが大きいです。
この金属部分で照射の前後を冷やそうというアイデアなのです。
皮膚を冷やす(PRE-COOLING)→皮膚を冷やしながら照射(PARALLEL-COOLING)→皮膚を冷やす(POST-COOLING)というわけです。
LightSheerはSLPとちがってPARALLEL-COOLINGだけの装置であるといえます。
次に操作性です。実際におこなった照射風景をお見せしましょう。
こちらはウデ(ヒジ下)をSLPで連続照射しているムービーです。
私やスタッフはSLPの取り扱いに習熟しておりませんので、パロマー社側のベテランスタッフに実 演していただきました。
すばらしいテクニックです。まさに高速道路をリムジンで突っ走っているがごときです。
(LightSheerの実演はこちらですが、
私のところのベテランスタッフよりも早く感じられます)
SLPはこのムービーのように皮膚面をすべらせながら照射することを前提として設計されています。
PRE-COOLING→ PARALLEL-COOLING→ POST-COOLINGというように一連の流れ作業で効果的な冷却ができるように設計されているのです。
皮膚面をすべらせて連続照射しなければPRE OR POST COOLINGが不可能となってしまうのです。
コヒレント社製ダイオードレーザー装置を用いた脱毛の基本手技の後半で、
アゴなどの狭い部位ではそのような連続照射ができるものか疑問であるという趣旨のことを、私は書きました。
こちらはLightSheerでワキの照射をしているムービーです。
ハンドピース本体はかさばっていますが照射口は小さいので、ウデと同じようにテキパキと軽快に処置ができています。
SLPで照射しているムービーはこちらです。
先程のウデのような高速道路を突っ走るような照射はパロマー社側のベテランスタッフであっても難しいようです。
(やはりリムジンは日本の狭い路地裏には向いていないようですね)
現時点で私が考えつくLightSheerの最大の弱点・欠点はハンドピース本体が巨大で重いことです。
このことは学会やセミナーでよく取りあげられ、導入をためらうドクターも少なくないようです。
(実際のところ、私自身も導入後スタッフから厳しくクレームを受けた経緯があります。
こちらの最下段の「エピソード」を御覧ください)
でも、物事は考えようです。SLPやLightSheerがアレキサンドライトに比べて高性能なのは接触型の冷却装置が内蔵されているからなのです。
そして、この利点を最大限に引き出すには照射中にハンドピースをできるだけ強く皮膚に押しつけることが肝要なのです。
その点については、コヒレント社もパロマー社も異存はないはずです。
LightSheerのハンドピースはとても重いです。
その重さに逆らわずに、ハンドピースの上に片手を乗せればとても効率的に皮膚を圧迫できるということに気づきました。
ハンドピースが軽ければ、常に意識的に力を込めて押しつけなければなりません。
下肢全体の処置などは2時間以上もかかります。その間には気がゆるんで、押しつけが足りなくなることもありえます。
ハンドピースが重いことは、かえって利点なのではないだろうかと現在は考えております。
こちらの文末を御覧ください。
(重いのは利点ですが、かさばるのは欠点です。もっとコンパクトにしていただきたいという気持ちはかわりません)
脱毛を受ける人の側からみれば、ハンドピースが重かろうか軽かろうかは、どうでもよいことと考えるかもしれません。どちらであっても確実に押しつけてくれれば問題ないのです。
でも、押しつけ不足が起きたときにヤケドするのは受ける人です。押しつけ不足が起きにくい機種を選ぶということは大切なことではないでしょうか。
今回の「対決企画」では、客観的・中立的にレフリーのような立場で評価したいと考えているのですが、ここまで書いて、
ややLightSheerの肩をもった表現になっていると考えられるむきもあるかとおもいますが、私はあくまで中立です。
あらためて申しあげます。どちらの機械も接触式の冷却装置を有しています。
このシステムは他の(アレキサンドライトなどの)脱毛機にはありません。
数ある脱毛機のなかで、もっとも優秀(と考えられる)2機種をメーカーの依頼でもって、比較検討しようとしているのです。
その結果が最終的に結論されるには数年かかるかもしれません。コヒレント社もパロマー社も大メーカーです。
アメリカの2大メーカーの機械を評価させていただく機会をいただいたことは本当に光栄です。
(結論がでるまでには数年かかるかもしれません、必要な際には何回でも試射させていただけるとのことです。感謝にたえません。
また、その間に別の、より優れた機械ができるかもしれません。この2機種に限らず、チャンスがあれば同じような企画をおこないたいとおもいます。
前向きなメーカーの参加をお待ちしております)
さて、長々とした前置きをここまでお読みいただきまして有り難うございました。
今回の企画にボランティアとして参加するのは3人です。
ひとりは、アレキサンドライトとダイオードで数回の照射をおこなった(今や大ベテランの)看護婦の「ゆかり」さんです。
彼女の経過はこちらで御覧ください。
メインは、いずれこのような企画があるかもしれないと考えて、脱毛禁止令をだして温存しておいたスタッフ(S)です。
禁止を言い渡して1年近くなので、ややむくれ気味ではありましたが、やっと日の目を見ることになりました。
脱毛クリニックのスタッフであるにもかかわらず、抜いたり剃ったりの悲しい境遇にあったSさんです。
もうひとりは、本人も気にしていなくて、また脱毛は無理であろうと放置しておいた「口周囲」の産毛を試してみようという「おまけ」的な参加者です。
では、経過のページへお進みください。こちらです。
2000年12月17日
渋谷高橋医院 院長
高橋知之 記
























