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新型脱毛機 Lumenis LightSheer ET

いままで私たちが使っている機械はコヒレント社製のダイオードレーザーでLightSheerと紹介してきました。
実は今春、このCoherentmedicalgroupとESCSharplanという会社が合併し、ルミナス(Lumenis)という新会社としてスタートしました。
会社の規模が大きくなれは機械のメインテナンス・スタッフも増えて私たちのようなユーザーにとってはより便利になります。 その結果として、急な故障を迅速に修理してくれる体制ができれば、最終的には脱毛を受ける皆様にとってもメリットとなります。
私(Dr高橋)は、レーザー脱毛の効果と副作用は機械の性能と基本手技を守って使用することが重要であると考えて、このホームページを構成してきました。
このホームページを通じて色々な質問をいただきます。判らないことは勉強したり人に聞いたりして、 今では見たことのない機械であっても波長や出力などのスペックを聞けば永久脱毛できるかどうかの予想がつくようになりました。
ところでカタログには載っていないけれども非常に大切な性能があります。 機械の安定性、故障率です。ものすごく高性能だけれども、しょっちゅう故障しているような機械では業務に支障をきたします。 私たちのクリニックでもそうですが、どこのクリニックでもレーザー脱毛は予約制でおこなっているはずです。 予約して来ていただいて、「さあ始めましょう」という段階で機械が動かなかったら大変なことになってしまいます。 渋谷高橋医院で脱毛を始めた最初の頃のことですが、当時はアレキサンドライトが1台だけでした。 看護婦が出勤すると同時にスイッチをいれたのですが動きません。 メインテナンス会社のスタッフの対応は迅速で30分くらいで駆けつけてくれました。 でも駆けつけたから直るというものではありません。機械をバラバラに分解して大変な作業がはじまりました。 途中で部品を取りに帰ったりして直ったのは夜の8時でした。 結局、その日に予約していただいていた人はカンカンです。(慰謝料を要求する人もいました)

アレキサンドライトだからこのような事態になったというつもりはありません。公平をきして述べますが、ダイオードも故障します。 ややこしい故障であれば何時間も修理にかかるのは同じです。
病院側として一番ありがたい対応は、修理に駆けつけて来るときに代替機を持参してくれることです。 持参の機械で予約を正常にこなしている傍らで修理してもらえると皆様にも迷惑がかかりません。
そのためには機械が移動しやすくコンパクトである必要があります。その当時のアレキサンドライトは

129kg(112cmx48cmx61cm)

このようにトラックでしか運べないような大きさと重さだったので、メインテナンス会社は代替機サービスをしようにも物理的に難しかったのです。
その点ダイオードは41kg(98cm×36cm×36cm)で上記アレキサンドライトの40%以下の重量・体積ですからライトバン程度なら載せることが可能な大きさです。 ダイオードでは代替機サービスが充実しているので、現在は故障のためのクリニック側からのキャンセルはありません。

機械がタクシーに載せられるくらいにコンパクトになればもっと便利になるでしょう。
旧コヒレント社は、だいぶん前よりLightSheerのコンパクト化に取り組んできたようです。 「社外の人にお知らせするのは始めてですが・・・、お願いがあります」と社長からこのプロジェクトの存在を打ち明けられたのが今年の2月です。
相談の内容は「波長、出力、パルス幅や冷却機能などは従来とまったく同じです。工場での耐久試験も問題ありません。 実際にクリニックで動かしてみて不具合がないか、モニター使用していただけないか・・・」というものでした。
私は驚いたと同時に、とても光栄に感じました。
というのも、この機械は、そもそもハーバード大学のアンダーソン博士の主導で開発・完成したという経緯があるからです。 アンダーソン博士は何回も来日されて、日本の専門家で知らない人はいないという脱毛の神様です。
「そのようなお仕事はアンダーソン先生がするべきで私ごときが・・・」と(謙遜しながら)申しあげた次第です。 今ふりかえってみるに、「難しいことは高橋には無理だが、数をこなすだけの単純なテストは高橋のほうが・・・」というのが、 ハーバード大学にではなく私に依頼された理由のようです。(高い考察力ではなく馬車馬のごとき体力に期待して、笑)
まあ、頼まれれば単純に喜んでしまう性格なものですからテストを引き受けました。ということで、2月末にLightSheerETが渋谷に届きました。


左が現行のLightSheerECで、右が臨床耐久テストに持ち込まれ世界第1号機のLightSheerETです。 とてもコンパクトです。これならタクシーにも載せられるでしょう。

脱毛機としての性能はどちらも同じですから従来機に換えて使用することにはなんの支障もありません。 要するにコンパクトになったために酷使して壊れないかを調べようというわけです。 その日から徹底的に優先使用してみましたが、なんの問題も起きませんでした。
4月下旬に、「なんの問題もなく動いていますよ」とアメリカに報告した次第です。 メーカーでは私の報告を受けて、5月5日に記者発表がおこなわれました。 こちらを御覧ください。
と、ここまでで終わるのが普通なのですが話はまだ続きます。

報告した次の日にETがダウンしてしまいました。まったく立ちあがらないのです。 メーカーの技術者も新しい機械なので、どうしてよいか判らないという状況におちいってしまいました。
「この機械はすばらしいです」とコメントしたとたんにストライキを起こして、世界第1号機は原因究明のために引き取られていきました。 (まあ、私のコメントは嘘ではないのですが、間一髪でラッキーなスタートをきった新会社です)
入れ代わりに第2号機を持ち込んでテストは続けられたのですが、何日たっても第1号機のトラブルの原因はわからないようでした。 電気系統をいじって強制的に機械を立ちあげてもスイッチを切って再始動すると立ちあがらないとのことです。 技術者は半分匙を投げだしかけてスイッチをいれると突然動きだしたそうです。 間隔をかえて調べてみたら切断して15秒以内では機械は立ちあがらなくて、それ以上たてば立ちあがることがわかりました。 結局マイコンのスターとプログラムにバグが見つかったそうです。

工場でスイッチをいれっぱなしにして何百万発照射してもこのバグは見つかるはずもありませんから、及ばずながら貢献できたと喜んでおります。 (ちなみに3ヵ月間で473,870発の照射でした)

今回、この新型機が日本では発売されることが決まりましたので、臨床耐久試験の記念としてこのページをつくりました。 (あまり役に立つ話ではありません。ごめんなさい)

2001年7月5日
渋谷高橋医院院長
高橋知之




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