はじめに
このページをお読みになる前に、まずこちらをお読みください。
P-NAINの開発経緯と基本的な性能などを書いてあります。
P-NAIN2ができましたので、いままでのP-NAINはP-NAIN1と呼ぶことにしますが、
P-NAIN1の第一号機が実際に現場で稼働しはじめたのが2004年の4月で、約1年半の間に73台を納品することができました。
脱毛機の性能を左右する大きな因子が波長・パルス幅(光線1発の持続時間)・出力であることはこちらにありますし、
事あるごとに説明してきました。
そして、大きな効果と少ない副作用を求めるには強力な皮膚冷却装置が必要であることも盛んに述べてまいりました。
エステ脱毛が医師法違反にあたるという厚生労働省課長通知に齟齬するにもかかわらず東京都は独自の安全基準を定めて、
その中でエステ脱毛にはこの冷却装置が内蔵された機械の使用を求めているほど冷却装置は重要なのです。
冷却能力の向上と安定を求めてP-NAIN2をつくりました。
P-NAIN1からP-NAIN2へ
さて多くのP-NAIN1を稼働させてきたわけですが、この1年半の間には時々火傷(ヤケド)の報告も受けました。
火傷(ヤケド)の原因はあきらかな操作ミス施術ミスもありましたが、
ほとんどの場合は機械性能の限界というか浅黒い肌や日焼けした肌に高出力で施術した場合におきています。
これはライトシェアでも同様で、ライトシェアの場合には色黒な人にはパルス幅を100ミリ秒と長くすることで対処するというのが一般的なものですが、
私も最初はそのようにしていましたがこちらにありますように
火傷(ヤケド)のリスクは下がるものの効果も下がるので自然に使わなくなりました。
30ミリ秒から100ミリ秒へというのはあまりにも変化させすぎで、
もうすこし細かく変化させると良いのではないかと考えてP-NAIN1では20~50ミリ秒(50~300ミリ秒も可能ですが効果が相当に落ちますので通常は使用しません)
まで自由に設定できるようにプログラミングしていますので、色黒の人には基本設定である30ミリ秒から40ミリ秒とか50ミリ秒と少しづつ長くするようにしていました。
そうすると確かに火傷(ヤケド)のリスクは下がりますが細い毛では脱毛効果はやはり下がるように感じます。
まさに原理どおりです。
皮膚接触式冷却装置は脱毛効果を下げることなく火傷(ヤケド)のリスクを減らすことが目的です。
ライトシェアは4~6℃、P-NAIN1は0~2℃になるようにプログラムしてありますが、
それでも物足りないということであればパルス幅を調整するのではなく、基本にかえってもうすこし温度を下げてみたほうがよいのではないかと考えてみました。
先端温度を下げると男性ヒゲのように太い毛が密集している部位の施術にも有利なはずです。
ライトシェアでヒゲ脱毛を行なうときには、特に鼻下などは相当な痛みを伴います。
アイスパック(すなわち0℃)を押し当てて感覚を麻痺させてから照射する場合があります。
アイスパックを1~2秒押し当てて、はずして1発照射、また1~2秒押し当てて、はずして1発照射・・・。
男性ヒゲに関しては4~6℃では冷却効果が足りないけれども、0℃に設定すればアイスパックは要らないはずです。
このように考えるようになって半年くらい前から何回かの実験を繰り返すようになりました。
実験の詳細は男性ヒゲのページの後半にありますので御覧ください。
そしてやっと完成しました。
P-NAIN2の冷却装置
これは脱毛モードでの操作画面ですが、ハンドピース先端の温度が -5℃~ -3℃の範囲を維持するように設定してあります。
この画面では冷却装置のスイッチがはいっていませんので温度は20℃を示しています。
写真あるいはこちらをクリックしてみてください。
先端温度がどんどんと下がっていって約37秒で -3℃になり「ピッ」という音が聞えます。
そして43秒で -5℃になります。 -5℃になると冷却装置のスイッチが切れますので -4℃まで上昇します。
そうすると再びスイッチがはいって -5℃と -4℃の間を行ったり来たりします。
上は20℃のときの先端、下は -5℃に達して5分ほど経った先端の写真です。
こんなに曇ってしまえば光が皮膚に到達しないのではないかと懸念されるかもしれませんが、1秒ほど皮膚に触れれば体温で溶けてしまいます。
もちろん溶けるということはガラス面の温度は -5℃ではないわけです。
(温度センサーはガラス面から2cmほど奥にあります)
P-NAIN2の冷却装置の能力はどれくらいなのかをお見せしましょう。
ハンドピースの温度を -99℃になるようにコンピューターは指示していますが、もちろんそんなことは不可能です。
不可能な指示をだしてスイッチをいれて約10分後には -36℃まで下がりました。
これが限界で、ここでストップしてしまいました。
これが -36℃のときの先端です。
こうなると皮膚に押しつけても中々とけません。
無理にとかそうとして押しつけていると凍傷になってしまうでしょう。
まとめ
まとめます。
P-NAIN2は、パルス幅(光線1発の持続時間)・出力・先端温度が設定画面で自由に設定できます。
脱毛の効果と副作用を左右する重要な因子が肌質・毛質に合わせて自由自在に変更できるわけです。
(あとひとつの因子である波長は変更できません。700ナノメートルのままで固定です)
先端温度を自由にコントロールすることによって男性ヒゲ脱毛時の痛みを軽減でき、
浅黒い肌の脱毛の際には温度を下げることによってパルス幅を長くする必要がなくなる可能性がでました。
あるいは温度を下げてパルス幅を長くすることで、より安全域が拡がる可能性がでました。
2005年10月3日
P-NAIN1とP-NAIN2の違いを実験で確かめてみました。こちらです。
レーザー脱毛あるいは光脱毛を行なう際の基本手技は「押す・拭く・ジェル」です。
そして毛質にあわせて、肌の色調に合わせて細かなテスト照射が大切です。
でも、テスト照射で火傷(ヤケド)しないことを確認して実際の本番でそのとおりの設定で照射しても火傷(ヤケド)が起きることがあります。
その理由は照射速度に冷却速度が追いついていかない、冷却効果が想像していた以上にバラツキがあるということが最近になってわかりました。
こちらのライトシェアの温度実験を御覧ください。
P-NAIN1の冷却能力はライトシェアと同等ですが、P-NAIN2はそれよりも遥かに強力です。
テストで火傷(ヤケド)しないことが確認できて、それと同じ条件で施術すれば火傷(ヤケド)することはありません。
P-NAINをライトシェアよりも優れた機械に育てたいというのが私の夢です。
安全面ではP-NAIN2はライトシェアを上回ったと自信をもってお伝えすることができます。
2005年10月27日
P-NAIN2の最高出力を60ジュールにまであげたP-NAIN3も完成しました。
2006年7月29日
渋谷高橋医院院長 高橋知之 記
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