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軟骨のピアッシングについて

「軟骨は硬いので貫通しにくく痛い」というような噂を聞きますが、硬いから貫通しにくいというのは間違いです。 たくさんの人をピアッシングしてみればわかりますが、軟骨は「パリッ」という感じで簡単に貫通します。
確かにときどき「硬くて失敗しました」というメールが届きますが、私は「ピアッサーを最後まで握り締めなかったことが原因でしょう」と返事します。


「台紙の説明にあるように最後までしっかり握り締めればうまくいくはずです」と説明すると、「今度はうまくいきました」という連絡がきます。

その理由を説明しましょう。(5NB300Tの場合)


これは新型のニードルピアッサーです。
主な使用部位はヘソです。 このピアッサーができて こちら で説明しましたようにヘソのピアッシングは本当に楽になりました。 硬いから軟骨は難しいというのであれば、これだけ鋭く尖っているのだから軟骨は楽勝のはずですね。 確かに普通の軟骨ならば楽勝です。
楽勝の理由は尖っているからではなくて、最後までしっかり握り締めることができるからです。

写真の赤丸はピアッサーのとても大切な構成要素です。
分かりやすくするためにピアッサーの外枠を外して撮影したのが下の写真です。


これは使用前の状態です。8ミリの隙間にピアッシングしたい場所を差し込みます。
ねらいを定めてゆっくり握り締めていきますが、


そのうちに、BはAに突き当たって止まります。


説明にあるこのことです。そのときにピアッシングする組織は3ミリに凹んでいます。 ピアスの先端が皮膚に触れていますので正確に位置合わせができるわけです。
さて、ねらいを確かめて、さらに握っていけばBはAをだんだんと押していくことになります。 急いで押す必要はありません。 急いでもゆっくりでもAを押す力は同じです。いずれ力が増えていけばAは折れてしまいます。 Aが折れた瞬間に手を止めても勢いがついていますのでピアスは貫通します。


確かに、勢いで最後まで貫通しないこともあります。これは途中でとまった状態です。 この状態で手を放すとピアスがピアッサーから外れないことがあります。


最後までしっかり握りしめると「C」は「D」の後ろに回り込んで、手をゆるめるとバネが「D」を押し出してくれます。 ピアッシングの際に耳をすませていると、カチッ・カチッと2回ほど音がするのがわかります。


最初の音は「B」が「A」を折る音で、

2回目の音は「C」が「D」の下から後に回り込む音なのです。 ピアッサーを空打ちさせてみましたので音をお聴きになってください。判りやすくするために 2倍の時間をかけて再生したスローモーションビデオです。
さて、ピアッシングが完了した時には貫通した組織の厚さは約4ミリに圧迫されています。 8ミリとか9ミリの厚い耳タブでも伸縮性があるので4ミリに圧迫することができますし痛くもありません。 舌などは15ミリ前後ありますが十分にピアッシングできます。

このような場所へのピアッシングが流行りだしています。 これらの場所へのピアッサーの使用はふたつの問題があります。 ひとつめはピアッサーにはいっているピアスの形状がその場所に似合わないということ、 ふたつめはピアッサーを握り締めにくいので力がはいらないということです。 ピアスの形状については、 ヘソのピアッシング直後にファッショナブルなピアスに置き換える方法 が応用できそうです。 ヘソのピアッシングよりも強い力が必要なようにみえるとおもいます。 実際の感覚ではニードルでないバーベルでのヘソピアッシングと同じくらいの強い力です。 ターゲットである軟骨は伸縮性がごくわずかですので、4ミリに圧迫するのには強い力が必要ですし、 ピアッサーを握り締めにくいということがピアッシングをより難くしているようです。 やっとニードルピアッサーが完成したとおもったら、またまた難題が生じたようです・・・。

ダイスへのピアッシングの様子
トラガスへのピアッシングの様子


これはニードルバナナピアッサーを最後まで握り締めたところです。 4ミリにならなければピアスがピアッサーから外れないということはすでに説明しましたが、 「ダイス」や「トラガス」では収縮性が乏しいために強い力が必要になるわけです。 この4ミリの隙間をもっと広くすれば解決できそうですが、 湾曲しているバナナ状のピアスはピアッサーの中でグラグラしやすいので広くすることはできません。

5NS25W

グラグラしないストレートなニードルを内蔵したピアッサーを考えてみました。 内蔵されているのはあくまでニードルであって、ピアッシング後に別の滅菌したファーストピアスに交換するのです。
ネジを切ったニードルとそれに合ったネジ径のバーベルピアスを組み合わせるというアイデアは ずっと以前におもいついていたのですが、手技が繁雑そうなので製品化していませんでした。 ニードルバナナピアッサーを検証しているうちに以前のアイデアが応用できるとおもいいたったわけです。


そうするとピアッシング直後の隙間は6ミリにすることができました。
こちらはストレートニードルピアッサーを使った「トラガス」へのピアッシングの様子です。
こちらはストレートニードルピアッサーを使った「ダイス」へのピアッシングの様子です。
耳タブへのピアッシングと同じ程度の力しか要らなくなりました。 そして、このアイデアは振り出しに戻ってヘソのピアッシングに応用できます。

文責:
渋谷高橋医院・元院長 高橋知之




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