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フォトリボーン機械と原理

さてハンドピースに関する説明は終えて次にすすみます。


他のページでの記載と重複しますがあらためて説明します。
青い線がフォトフェイシャルの波長の分布を示しています。
560ナノメートルのフィルターをかけていますから、実効波長は560~750くらいであるということがお分かりになるとおもいます。
この領域の光線は黒い色素(メラニン)にとてもよく吸収されますのでレーザー脱毛にも黎明期には使用されていましたが、 皮膚表面での吸収が大きく深部に到達しないことが分かったので現在は廃れてしまいました。
(脱毛効果が少なく火傷(ヤケド)の危険性が高いということです)
詳しくはレーザー脱毛の原理をお読みください。
同じくフォトリバースはダイレーザーという595ナノメートルの波長、上図の緑色の縦棒です「フォトフェイシャルの波長域の頂上とほぼ一致しています。
すなわち、ほぼ同じ効果と副作用が考えられるわけです。
光美顔を目的とする機械はヘモグロビンとメラニンの両方に吸収されやすい波長である必要があるのです。

レーザーピーリングで説明しましたようにフレイアは1064ナノメートルの波長をだすヤグレーザーです。
どうしてヤグレーザーなのに美顔ができるのでしょう、不思議ですね。
種明かしです。

レーザー光線を何かの物質に向けて照射すると、レーザー設定条件によっては、その物質は2次的に音や光などのエネルギーをだすことが知られています。
フォトリボーンではヤグレーザーと人体に無害な酸化チタンを用います。


分光測定機で測定するとすると370ナノメートル~1000ナノメートルをピークとする様々な波長の2次光がでていることがわかります。
これを「プラズマ光」といいます。


プラズマ2次光を他のレーザーと並べてみました。ゴチャゴチャしていますが、茶色の山がプラズマ2次光です。
当然、1次光である1064ナノメートルのレーザー光もあるわけです。
このプラズマ光を発する酸化チタンをレーザーピーリングで用いるカーボンジェルにミックスしたのが新しい光美顔であるフォトリボーンなのです。 (このミックスジェルをPlasmagic Gelといいます)

効果・効能

1) シミ・クスミ

皮膚を火傷(ヤケド)させないように出力やパルス持続時間を調整して、皮膚表面に散在するメラニン色素にマイルドなダメージを繰り返し 与えれば美白効果が期待できるのではないだろうかというものです。
メラニンの吸収曲線は上図のようになだらかな右下がりですから、出力などをきちんと設定すればどのような波長でも比較的簡単に効果をだすことができます。フォトフェイシャル、フォトリバース、フォトリボーン、いずれも同じようによく効きます。
(波長が長いほど深部深達 度が高いので皮膚の奥にあるメラニン色素にも反応します)

2) 赤ら顔

600ナノメートル以下の波長では赤い色素への吸収度がよいということを利用して皮膚表面の毛細血管拡張を軽減できるのではないだろうかというものです。
上の吸収曲線をみれば、例えばダイオードの810ナノメートルでは赤(ヘモグロビン)への吸収度と黒(メラニン)への吸収度は1000倍近い開きがありますが、 「フォトフェイシャル」や「フォトリバース」では2倍程度であることが分かるでしょう。

実際に赤と黒のボールペンで塗りつぶした紙片に照射してみました。
左の写真でダイオードでは黒しか反応していないのに対してIPL(フォトフェイシャル)では両方に反応していることがはっきりと判ります。
同様に右のVスター(フォトリバース)でも両方に反応しています。
しかしながら、写真のようなはっきりとした変化をだすためにはそれぞれの機械の最高出力が必要で、 通常の治療用出力ではまったく変化がなかったことを述べておきます。

では、フォトリボーンはどうでしょうか?

上のようにガラス板に Plasmagic Gelを塗って、そのうえから照射してみました。
しかし、紙に塗った赤と黒のインクには全く反応がみられませんでした。
効果が無いのではないかと不安になりますね。 Plasmagicを塗らないで直接にレーザーだけを照射すると下のようにきちんと反応します。
ヤグレーザー単体でも赤と黒に反応することは、 すでに説明したようにその吸収度が近いからです。
(吸収度が離れているダイオードやアレキサンドライトではこのようなことはおこりません)
Plasmagic Gelで反応しないのは治療レベルのIPL(フォトフェイシャル)やVスター(フォトリバース)で反応しないのと同じことです。

同じ出力で照射してPlasmagic Gelを使用しなければ赤に反応せず、使用すれば反応するという実験系を考えてみました。
実際の皮膚では赤と黒がいりまじっていますから実験ができません。
腸の表面には血管がありますがメラニン色素はありません。
そこでネズミに麻酔をかけて血液が流れている血管にレーザーを照射してみました。

左が照射前です。縦に4本の血管が走っているのが判ります。
Plasmagic Gelを塗ったうえでレーザーを照射してみました。
右は照射直後ですが血管が細くなっていることが判るでしょう。
血管の中を流れている赤血球が破壊されて血管壁が損傷したからだと考えられます。
この実験は動画で保存してありますので御覧ください。
こちらです。
(なお、Plasmagic Gelを塗らずに同じ実験をしましたが血管にはなんの変化もありませんでした)

こちらは別の実験です。
この機械はハンドピースを交換することでホクロや皮膚切開が可能な強い出力設定ができるのですが、その設定でプラズマ光の効果を調べてみました。

ちょっと写真が不鮮明なのですが、小さな血管腫です。左が照射前、右が直後です。
赤に反応したのがよく判ります。
フォトリボーンでもフォトフェイシャルやフォトリバースと同様に赤ら顔の治療ができるということです。

3) コジワ・張りとキメ

皮下2~3ミリの深さまで適度な熱刺激を与えることができれば真皮のコラーゲン線維の増加が期待できるのではないか、 結果的にコジワがなくなり皮膚に張りやキメがでるのではないだろうかという考えがあります。
しかしながら、フォトフェイシャルやフォトリバースでは当初期待していたほどの効果はありませんでした。 フォトリボーンについてはまだ経験不足でコメントできません。
ただ、ヤグレーザー(1064ナノメートル)は深部到達性が高い波長ですから期待はできます。
結論はもうしばらくお待ちください。
結論をお待ちくださいというのは、コラーゲン線維の増加による小ジワ・張りとキメの改善がおこりうるかどうかの結論です。
念を押す理由は、フォトリボーンで使用するPlasmagic Gelには黒色炭素が含有されていますから皮膚全体のレーザーピーリングが同時におこなわれます。
これによる張りとキメの改善は直後から実感できますので誤解なさらないでください。
理論的根拠は別にして、フォトリボーンはフォトフェイシャルやフォトリバースでは得られない張りとキメの改善が得られます。
照射を繰り返すことによって小ジワの改善にまで至るかどうかは経験を重ねたうえであらためて報告いたします。

4) 炎症を伴うニキビ

光美顔一般に言えることですが熱による殺菌効果も期待でき、また上記2によって赤みもとれるのではないかと言われています。
しかし経験に基づく私のコメントは、「熱による殺菌効果は乏しく、フォトフェイシャルとフォトリバースが効くのは、ある程度落ちついたニキビです。 今が盛りの炎症を伴うニキビには効果がありません」です。
このことは販社でも分かっているようで、 なぜならフォトフェイシャルのメーカーであるLumenis社はニキビ専用の紫外線に近い領域の光治療機(クリアライト)を製造していて、 すでに導入している施設もあるようです。 1000分の○○秒というように瞬間的に紫外線エネルギーを身体に送り込む(パルス波=Pulsed Wave)のではなく、 クリアライトは日焼けマシンのように持続的に照射(連続波=Continuous Wave)するものです。
こちらに機械のデータがありますので御覧ください。
フォトリボーンではフォトフェイシャルやフォトリバースにはだせない370ナノメートルをピークとする近紫外線プラズマ2次光もだしています。
この近紫外線によって連鎖的に光触媒反応が起こるのですが、 それによって発生した活性酸素は殺菌効果がありますので炎症を伴う今が盛りのニキビにも効果があります。
その結果として、こちらのような劇的効果があるわけです。
(フォトリボーンの殺菌効果を実験で確かめました。こちらを御覧ください)

機械の操作性・安定性

操作性や安定性は治療を受ける側には関係ないとおもわれるでしょうが、実はそうではないのです。
操作性が悪ければ設定した出力がその通りに身体に届かないこともありえます。
その結果、効果がなかったり、逆に強く届きすぎて火傷(ヤケド)をおこす可能性もあるのです。
実際、皮膚から2ミリくらい離して照射するのを原則とするフォトフェイシャルではこのような火傷(ヤケド)を経験しています。
フォトリバースではハンドピースを皮膚に接触させて照射しますのでフォトフェイシャルよりも操作性がよいといえます。
フォトリボーンの皮膚に接触する冷却装置先端は既に述べたように、細いので更に操作性がよいです。
機械の安定性が悪くて、しょっちゅう故障しているようでは困ります。
どこのクリニックでもエステでも、この種の施術は予約制でおこなっているはずです。
予約どおりに来られた患者やお客様に施術できないのは問題です。
安定性の面からはフォトフェイシャルはすばらしいです。
導入して8ヵ月になりますが、まだ1回も故障したことがありません。
黙々と働いてくれています。
フォトリバースは導入して6ヵ月目ですが、時々エンストしています。
1度だけですが予約どおりに来ていただいた患者さんに返金して出直していただく事態がありました。
フォトリボーンは導入して3ヵ月が経ちました。まだ今のところはエンストしたことはありません。

文責者:渋谷高橋医院・元院長 高橋知之 (E-mail: Tomoyuki@Takahashi.MD)
本文全体を印刷し配布することは御自由です。
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ただし本文の一部を抜粋して引用あるいは配布することは文責者の許諾を得てください。




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