本体


「フォトフェイシャル」というのはLumenis(旧ESC Sharplan)社の光治療機(IPL = Intense Pulse Light)のキャッチフレーズです。
左の写真で、青い機械が「フォトフェイシャル-photofacial」、紫色は脱毛用の姉妹機です。
こちらを御覧ください。
右の写真の機械が「フォトリバース」というCynosure社のダイレーザー機V-starです。
ハンドピース

「フォトフェイシャル」のハンドピースにはアークランプが内蔵されています。
ランプからでた白色光には若干の紫外線を含む可視波長を中心に1200ナノメートルくらいまでの種々の波長の光が混ざっているとメーカーでは言っており、
目的用途に合わせて、それぞれ異なるフィルターのハンドピースを使い分けるというのが特徴です。
美顔(肌)用には560ナノメートル以下の波長をカットするフィルターがついたハンドピースを使用します。

右は「フォトリバース」のハンドピースですが、レーザー光(595ナノメートル)は機械本体で発生させますのでハンドピースは御覧のようにスマートです。
レーザー脱毛機でのハンドピースのサイズを論じた1年半前の記事を御覧ください。
あのときは冷却装置がついていなければ幾ら小さくてもダメという結論でしたが今回はどうでしょう。
「フォトフェイシャル」にはこちらで説明しているようにとても強力な冷却装置がついています。
そして「フォトリバース」にも循環水冷式の冷却装置がついています。

皮膚に接している灰色のリングが冷却装置で、皮膚を5度前後に保ちます。
透明チューブが2本見えていますが、ここから冷却水が出入りします。
冷却能力においては両者互角といったところでしょうか・・・。
原理と効果・効能

青い線が「フォトフェイシャル」の波長の分布を示しています。
560ナノメートルのフィルターをかけていますから、実効波長は560~750くらいであるということがお分かりになるとおもいます。
この領域の光線は黒い色素(メラニン)にとても良く吸収されますのでレーザー脱毛にも黎明期には使用されていましたが、
皮膚表面での吸収が大きく深部に到達しないことが分かったので現在は廃れてしまいました。
(脱毛効果が少なく火傷(ヤケド)の危険性が高いということです)
詳しくはレーザー脱毛の原理をお読みください。
「フォトフェイシャル」の波長域の頂上とほぼ一致しています。
すなわち、ほぼ同じ効果と副作用が考えられるわけです。
脱毛用機械としての問題点を逆手にとったのがこの光美顔のアイデアです。
アイデアは四つあります。すなわち、
1) シミ・クスミに対して
皮膚を火傷(ヤケド)させないように出力やパルス持続時間を調整して、
皮膚表面に散在するメラニン色素にマイルドなダメージを繰り返し与えれば美白効果が期待できるのではないだろうかというものです。
2) 赤ら顔に対して
600ナノメートル以下の波長では赤い色素への吸収度が良いということを利用して皮膚表面の毛細血管拡張を軽減できるのではないだろうかというものです。
上の吸収曲線をみれば、例えばダイオードの810ナノメートルでは赤(ヘモグロビン)への吸収度と黒(メラニン)への吸収度は1000倍近い開きがありますが、
「フォトフェイシャル」や「フォトリバース」では2倍程度であることが分かるでしょう。

実際に赤と黒のボールペンで塗りつぶした紙片に照射してみました。
左の写真でダイオードでは黒しか反応していないのに対してIPL(フォトフェイシャル)では両方に反応していることがはっきりと判ります。
同様に右のV-star(フォトリバース)でも両方に反応しています。
(フォトリバースの方が赤に対す る反応が強いようにも見えますが、解明は今後の課題です。
なお、写真のようなはっきりとした変化をだすためにはそれぞれの機械の最高出力が必要でした。
通常の治療用出力ではまったく変化がなかったことを付記しておきます)
毛細血管というのは、最細部では赤血球よりも細いのでヘビがタマゴを飲み込んだように流れていきます。
毛細血管の中にある赤血球が熱破壊されれば、毛細血管は目詰まりして潰れてしまいます。
うまく設定すれば赤ら顔が改善できるのではないかと考えたわけです。
(皮膚表面から深いところを走る太い血管の中でこのような破壊が起きれば血栓をつくる可能性もありますが、
この波長域では深部深達度が悪いという特徴が利点に変わるのです。
こちらのトラブル例を御覧ください)
3) 小ジワ・皮膚の張りに対して
この波長域では出力にもよりますが光の実効深達は皮下2~3ミリ程度です。
2~3ミリの深さまで適度な熱刺激を与えることができるということは真皮のコラーゲン線維の増加が期待できるのではないか、
結果的にコジワがなくなり皮膚に張りがでるのではないだろうかというアイデアです。
4) ニキビに対して
ケミカルピーリングも当初は進行中のニキビへの効果は否定的でしたが
酸による殺菌効果のために改善することが分かってきました。
同じくIPLでも熱による殺菌効果も期待でき、また上記2)によって赤みもとれるのではないかと期待されます。
フォトフェイシャル・フォトリバースで出来ること、出来ないこと
本ページを書いている現時点で100台弱のフォトフェイシャル、20台弱のフォトリバースが国内で稼働していると推測されます。
そういう事情ですから、両機種を単一施設で使用比較した経験があるのはおそらく渋谷高橋医院がはじめてではないかとおもいます。
その経験からですが、効果と副作用については両者に 大きな差はないようにおもいます。
両者とも数回の照射で相当な改善がなされ、また照射後すぐに化粧ができますので、この「光美顔法」は美容革命と言っても過言ではありません。
しかしながら、このすばらしいフォトフェイシャル・フォトリバースにも出来ないこともあります。
光線のターゲットは黒い色素と赤い色素ですから、どちらの色素もない肌質の改善は不可能です。
「綺麗な人はより綺麗に、そうでない人はそこそこに・・・」ではなく、シミも赤みも少ない人が「より綺麗」になることはできないのです。
シミも赤みも少ない人を「より綺麗」にするのはピーリングと呼ばれる技術です。
ケミカルピーリングやクリスタルピーリングは開発当初の期待に答えることができませんでしたが、
レーザーピーリングは確実に効果が得られる新技術です。
フォトフェイシャル・フォトリバースと併用すれば、「綺麗な人はより綺麗に、そうでない人も十分に綺麗に・・・」ということも可能になります。
両システムが普及して料金が安くなればたくさんの人が幸せになるでしょう。
メーカーの努力に期待したいとおもいます。
3機種目として導入したフォトリボーンは従来の美顔に加えて、ピーリングとニキビの殺菌効果を合わせ持つユニークなシステムです。
そちらの頁もお読みください。
2002年2月1日
渋谷高橋医院 院長
高橋知之
その後、ノーダウンタイムを標榜するたくさんの美顔機が登場しました。
QuantumSRはNatuLightと名前を変えましたが、後塵を拝するそれらの機械の殆どはNatuLightと同じようなIPLをベースにしております。
フォトフェイシャルは光美顔の基本型という地位を獲得したようです。
(私がプログラミングしたP-NAINも基本的機能はフォトフェイシャルと同一です)
V-starにつきましては、私の経験ではV-starでできることはすべてフォトフェイシャルでできています。
実際、新規に導入するクリニックも少ないようで市場から姿を消しつつあります。
(私のところでもメインテナンスの問題で使用停止にしておりますが業務には何の支障もでていません)
2004年6月16日
渋谷高橋医院院長
高橋知之






















